チョウセンゴミシ 朝鮮五味子 ( マツブサ科マツブサ属 ※1 )

チョウセンゴミシ 生薬名: ゴミシ ( 五味子 ) [ 局 ] 用途: 漢方薬

チョウセンゴミシ 朝鮮五味子は、本州中部地方から北海道の林縁などに自生する、木本の落葉性つる植物です。 雌雄異株で、葉は互生し有柄で、短枝の先にまとまってつきます。 葉身は倒卵形から楕円形で長さは10cmくらいまで、淡い緑色で鋸歯があり、葉の先は尖ります。
初夏から夏にかけて、葉腋に白色から淡黄白色の花を下垂します。 花は直径10mmほどで、芳香があり、花被片は6~10個あります。 雄花には雄しべが6個あり、雌花には多数の淡緑色の子房に、白色の短い花柱がつきます。

花の後には、直径7mmほどの球形の液果を房状につけ、晩秋に紅熟します。 この赤い実を、秋に採取し乾燥したものを、生薬名 ゴミシ ( 五味子 ) といいます。 五味子の 「 五味 」 は、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味の五つの味がするという意味です。 果実の果皮や核などの部位により味が違うとする説、初めは酸っぱく、後になって渋くなるからという説などがあります。 鎮咳、去痰、強壮、強精などを目的に、小青竜湯などの漢方薬に処方されています。 和名は、江戸時代に生薬・五味子を朝鮮半島から輸入していたことに由来します。
※1 マツブサ ( 松房 ) 科 :  実が房になり、樹皮が松脂のような匂いがすることから。

属名:Schisandra 、裂ける schizo + 雄しべ andronから。
種小名:chinensis 、中国の という意味。
2013.-2021.05.12.Re
チョウセンゴミシ Schisandra chinensis 撮影地・明治薬科大学薬用植物園、他

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